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コロナで事業者の「お金の流れ」はどう変化したのか?【住信SBIネット銀行様インタビュー】

更新日:2020年10月30日

コロナで事業者の「お金の流れ」はどう変化したのか?【住信SBIネット銀行様インタビュー】

2020年春から感染が拡大した新型コロナウィルス感染症。10月を過ぎた現在もなお、とどまることを知りません。

世の事業者は、この未曽有の変化に対し、どのような生存戦略を講じたのでしょうか。

【その答えの一端は、「お金の流れ」をつかさどる銀行にこそあるのではないか?】という仮説に基づき、今回、住信SBIネット銀行・ファイナンス事業部の柴田様にインタビューをさせていただきました。

  • 新型コロナウィルス前後で事業者の資金需要は具体的にどう変化したのか?
  • 住信SBIネット銀行は新型コロナウィルス流行前後でどのような対応をしたのか?
  • 今後、「ネット銀行」として顧客対応はどのように変化していくのか?

上記のような「お金」にまつわる質問をさせていただいたところ、住信SBIネット銀行ならではの【新戦略】が垣間見えるインタビューとなりました。


今回インタビューにご協力いただいた方:
住信SBIネット銀行
ファイナンス事業部長 柴田様

AIが与信判断を行う「トランザクションレンディング」とは

貴行について、改めてご紹介いただけますでしょうか。

柴田様:2007年に開業し現在400万件*の口座を開設いただいているネット専業銀行です。お預かりしている預金残高は総額5兆円で、預金残高の規模でみると、ネット専業の中では一番大きい銀行になります。

法人向けには、2016年10月に「トランザクションレンディング」という融資サービスをスタートしました。これは、従来のように銀行担当者が融資を希望する会社の事業計画書や決算書等をもとに審査するのではなく、銀行口座の入出金履歴などの動的なを元に、「AIが与信を判断する」という新しいサービスです。

※2020年9月時点

トランザクションレンディングとはどういったサービスなのでしょうか。

柴田様:当社が提供するトランザクションレンディング(商品名:dayta)は、当社法人口座をご利用するお客さまを対象に行なっているサービスでして、従来の銀行融資と大きく違う点が2つあります。

1つ目は、「借りる前に借りられる額がわかる」ということです。
AIが与信可と判断したお客さまに限りますが、インターネットバンキングの画面上に、「あなたの融資可能額は○○万円です」というように、融資可能額と融資金利を掲載(オファー)しています。審査申し込みの前に借りられるか否かがわかるので、わざわざ問い合わせをする必要がなく、融資へのチャレンジがしやすいです。

2つ目は、「完全にオンラインで完結できるサービス」だということです。
事業者の方は、ご自分のお店の営業時間があったりして、平日の昼間に銀行に出向くのが困難な場合も多いですよね。オンラインなら24時間365日契約が可能なので、実際に銀行に出向くことなく、深夜や早朝でも手続きができます。物理的な移動が発生せず、書面で契約する必要もないので非常に便利です。


どのような方の利用が多いのでしょうか。

柴田様:もともと当社の法人口座を開設する方の5割は創業法人*です。そのため、新興ベンチャー企業、特に創業して1〜5年目の方の利用が多いです。

※2020年1月時点。創業法人は会社設立から1年以内としている。

最初の創業借入は日本政策金融公庫で行う方が多いのですが、業務拡大など次のチャレンジをする時に、

「決算書が3期分ない」

などの理由で、借入ができない事業者が一定数いらっしゃいます。その方々に対して資金を提供する機会を設けようと考え、トランザクションレンディングを開始しました。

なるほど。突発的なイベントで融資の準備に時間が割けない場合に、トランザクションレンディングを大いに活用できそうですね。

コロナで事業継続のための融資や業態変化に伴う融資が増加


続いて、コロナでの銀行を取り巻く環境の変化についてお伺いしていきます。どのような融資が増えたのでしょうか?

柴田様:政府系金融機関による無利子・無保証融資制度が速やかに開始されました。日本政策金融公庫等が発表している統計をみると、2020年2月から9月末までで、200万件近い融資が実行されており、多くの事業者が借入できているのだと思います。
ただ、2020年2月~7月あたりまでで何が起きていたかというと、政府系金融機関からの借入のための審査待ちが発生し、「審査が開始されるまでに1-2か月かかる」という事態が発生しました。港区などの繁華街を有する地域はその典型例です。

それもあってか、その審査待ちの間に資金をショートさせないために、当社のトランザクションレンディングで借入をする方が増えました

また、コロナ禍を受けて業態変化にチャレンジした事業者への融資もありました。

例えば、映像制作をされている事業者がオンラインの映像配信へ切り替えるにあたっての増加運転資金ニーズだったり、飲食業だとフードトラック事業に参入したり、巣ごもり消費に対する需要へのサービスの提供を開始したり。皆さま創意工夫をして売上を伸ばそうとしていらっしゃいました。

コロナ禍で、すべての事業者が逆風に直面しているのではなく、この状況に対して柔軟かつスピード感をもって新たなチャレンジを行う事業者がおり、そういう事業者に対して当社のトランザクションレンディングで資金ニーズにこたえている、というのが印象的でしたね。

興味深いお話をありがとうございます。逆に、打撃を受けた事業者に対してはどのようなサポートを行なっているのでしょうか。

柴田様: 政府系金融機関による融資がある程度いきわたっていることを踏まえると、トランザクションレンディングによる融資は継続しつつも、新しい事業者向けの価値提供が必要だと考えています。今後は、他社様と業務提携をして、当社だけでは実現できない事業者向けの価値提供をしていきたいと考えています

例えば、今年(2020年)の5月25日に、株式会社ライトアップ様と補助金・助成金受給に関する業務提携をさせていただきました。


外部リンク:
株式会社ライトアップによる助成金・補助金に関するオンラインセミナーの開催について

企業が活用できる補助金、助成金はたくさんあるのですが、様々な条件をクリアしなければならず、また申請手続きも煩雑なので、ハードルが高いと感じて、利用されない事業者が多いです。

特に、人事労務系の助成金などは就業規則を整備したりと面倒。そこで、社内の内部管理体制の整備から補助金・助成金受給申請までを有償でサポートするライトアップ様と業務提携をしました。本業務提携では、ライトアップ様には特別に当社口座保有者向けに割引を提供してもらうことになっています。助成金は返済義務がなく、事業者の生産性や労務環境を改善するために用意された制度があります。多くの事業者の方に利用してもらいたいと思っています。

あとは、合同会社Google様と共同でGoogle広告に関するウェビナーを開催しました。

外部リンク:Google広告や補助金制度に関するオンラインセミナーの開催について

やはり、今飲食業や小売店などの店舗型ビジネスの事業者が直面している課題は、「集客ができない」「売上げが上がらない」ということだと思っています。「借入でキャッシュはある。けれど、お客さまの数は以前のようには戻ってこない。固定費は毎月出ていって、近い将来また資金繰りに窮するかもしれない。」という思いを抱いている事業者は多いと思います。

そこで、当社として「売上」を向上させるための支援がなにかできないか、ということで集客の側面でGoogle広告がいいんじゃないか、と思い、Google様にお声がけし、ウェビナーに登壇いただきました

事業のグロースのところまで見る銀行は珍しいなと感じます。今後もこのような活動を続けていくのですか?

柴田様:確かに、表立って売上を伸ばすためのサポートをすると公言している銀行は聞かないですね。でも、今後も続けていきたいと思っています。

お金を借りることは会社にとっては「手段」であって「目的」ではありません。銀行は資金面での支援しかできませんが、その「手段」の部分にアプローチできる方法はないかとずっと考えていました

残念ながらお金を借りた後の使い方を間違っている事業者って、結構いらっしゃると思うんです。事業者向けのクラウドサービスもいいものが増えています。月数千円で高機能なツールを提供している業者もあります。でも、そういうサービスを知らないで、スクラッチで作って、それなりに大きな金額をアップフロントで支払ってしまうと資金繰り的にもきついと思います。

そのような事業者に対し、他社様とも協力しつつ、我々の強みであるインターネットのプラットフォームを活用した支援をしていきたいと思っています。

選ばれる理由は「24時間対応」「手続きの完全オンライン化」


続いて、貴行の顧客対応についてお伺いしていきます。顧客満足度を上げるために、取り組んでいらっしゃることはありますか?また、高い顧客満足度の要因はなんでしょうか。

柴田様:24時間取引できるという点は大きく評価をいただいています。以前、「なぜ弊行を選んでいただいたのでしょうか」という利用者アンケートを取ったところ、「手数料が安い」という理由に次いで、「24時間取引ができるから」という意見が多かったんです。

いつでも手続きができるので、例えばタクシーに乗っている時に取引先から急に振込依頼があった時でも、スピーディーに対応ができます。


また、最近だと
日本の銀行で初の取り組みとなる「完全オンライン完結の法人口座開設サービス」を開始しました

今まで法人口座の開設は、

ウェブ上で情報を入力
→申込書の作成
→申込書に実印を押す
→印鑑証明・登記簿等の各種書類の提出

という流れが一般的でした。

役所に行って印鑑証明を発行する手間がかかったり、書類一式の準備が整っても不備があったり、印鑑が不鮮明なために何度も郵送でやり取りが発生したり……。分析してみると、途中で面倒になって離脱してしまう方が、最大で5割程度いるとわかったのです。

そこで、法律が改正されたという後押しもあって、完全にオンラインで完結できる法人口座開設サービスを始めました。そうすると、法人口座を作るのを途中でやめてしまう方が圧倒的に減ったんですよ。ぜひメリットの多い法人口座を作って、活用いただければと思います。

「近いから」という理由で銀行を選ぶのはナンセンス


最後に、読者にメッセージがあればお願いします。

もっと皆さん、銀行選びに能動的になってほしいなと思います。

銀行ってインフラなので、どこも変わらない、と多くの事業者が思っています。実際に、当社が実施した調査だと、事業者のうち7割近くが、創業時の口座開設理由として「会社から一番近いから」もしくは「よく覚えていない」という回答をしたんですよね。

弊社の面白い特徴なのですが、法人口座を持っている方の25%が、弊社の個人口座も一緒に保有しています。そこで、法人口座と個人口座のどっちを先に作ったのかというのを調べると、圧倒的に個人口座を先に作っていたんですよね。

インターネット専業銀行を選ぶ方というのは、「金利がちょっといい」「手数料が安い」など能動的に調べる癖がついているのだと思います。多くの方が、同じように銀行の特徴やメリットを比較して選ぶようになってほしいと思います。

また、今回の新型コロナウイルスの流行で「急に売上が断絶するイベントがあるんだ」ということを、誰もが実感したと思います。そういった時に、「いつでも、いざという時に自分が借りられる金額を把握できる」という当社のトランザクションレンディングは、経営における心理的な安全性を高められる、と思っております。

心理的な安全のためにも、ぜひ、多くの事業者の方に弊行の法人口座とトランザクションレンディングを活用していただきたいと思っています。

まとめ

新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受け、めまぐるしく変化した資金需要。住信SBIネット銀行は、その流れに合わせた様々な施策を実行されていました。

  • 事業継続や業態変化に伴う資金需要への融資
  • 補助金助成金受給に関する情報提供サービス
  • 事業者向けにGoogle広告に関するウェビナーを開催
  • 法人口座開設手続きの完全オンライン化

銀行のメインである融資はもちろんのこと、事業の発展をサポートする内容の施策もあったことが印象的でした。

煩わしい手続きが多く、足を運ぶのが面倒に思われがちな銀行。時代のオンライン化の時代に合わせ、情報感度の高い人からどんどんネット専業銀行に流れていくのではと感じました。